2012/05/30

木の芽時

 なかば枯れたような老木が新芽を孕み
ものすごい勢いで 浮き足立ち
あきれるほど重たそうな花を大量に咲かせ
水分なんてこれっぽちも無いような枝から
対岸の景色を覆うほどの葉を伸ばす
内部には一体何が潜伏しているのか

 そんな木の芽時

植物は自身の成長に必要な力を
人間から奪い取るから
綺麗な花の側や大木の下は歩かないようにと
祖母に毎年注意されていた

私はこの季節が少し恐ろしい
木の芽も落ち着き
庭の草木は勢いを失いだらだらと
チューリップは朝晩開閉しては
とても長くなった自分を支えきれず首をもたげ
咲きくたびれている境遇は 気の毒だ

2012/05/05

去年のこどもの日


昨年は
あと五日で手術だった こどもの日

「風よ吹け すべて喰らいて 我輩は
マタタビ踊り ホレコイノボリ」

なんだかのんきな
こんな絵と短歌を描いてた

向かいのマンションベランダに
真新しい こいのぼりが揺れ
穏やかに人々が笑っていた事を思い出す


今、札幌は雨降りで
梅や櫻、 チューリップや水仙が蕾を閉じている
今日はこどもの日

2012/05/04

防御の回数



      真珠貝はね 自身にメスを入れられ 異物の核を植え込まれるの        

その傷と異物から 自己防衛するために 真珠は核を包む層を作る事を覚えたの

その層が いくつもいくつも重なって 丸くなったぶんだけ白色が美しい

その美しさは 痛みを伴い恐れを飼いならした防御の 回数なのよ
 

2012/05/01

手術まであと10日


今年の5月は レンギョウや水仙に触れ
土のにおいを感じている

去年の今頃は とても不安だった

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あと10日で 胸部を開き ハイリスクの
心臓形成手術だ
黒い扉が 開閉する 日記画を描いた

 皐月 陰暦五月の開き戸が あいた
        「すくっと 立てません」
         と口に出したら

       「ようこそ皐月へ さあ 行きますよ」
        とピンク婦人が微笑んだ

色々な注射を刺し
満月みたいな 止血テープを貼られていた


手術までのカウントダウン
残り10日になった2011年 皐月の扉が開いた日

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術後 一年をそろそろ 迎えようとしている