2012/03/31

鼻が利かない

鼻が利かない

「いざって時なのに鼻が利かず私にとって
役に立つことすら嗅ぎ分けられなくなった」

犬はかなり遠いところの情報を鼻で嗅ぎ分け
行動するそうだ

以前「犬の鼻が欲しい」というタイトルの個展を
開いた

当時は、焦がれる想いや
心奪われた出来事の香りを感じられたのだ

どの人が好意的で、どの人が 快く想ってくれ
ているのか野生の感が働いた

入院するとさっぱりだ。

ドクターの言葉も、友人の忠告も、家族の行動も
鼻が詰まってしまって判断不能
どうにも駄目だった

2012/03/28

思い込みの言葉


入院生活は、辛いことばかりだ
注射は痛いし 薬は苦く 傷は痛むし
食事制限まで出される

ごく稀に、笑い出したくなる出来事に出くわす

本人の思い込みや勘違いの言葉は
ちょっと笑えて楽しい

心臓機能検査のために
「カテーテル」という検査をする
ドクターやナースが頻繁に説明のために
口に出す単語だが
その婦人には「カテテール」と聞こえるようで
カテテールの時痛いですか?
カテテールって後遺症ありますか?
と連呼し続けた 強固な思い込みの勝利で
ナースの口からも「カテテール」と出てしまい苦笑

下記は 同室の方たちの面白語録です
★ 私ね「ヘルスメーター入れることになったの」→ 体重計?ではなく ペースメーカーの事
★ 私ね「カラオケのアケラテ好きなの」→ 飲み物かと思ったら アカペラの事
★ 私ね「メソポタミア」なの →  文明??と思いきや メタボリックの事
★ 先生たちね「ファンファーレ終わらせてから来るって」
   →ドクターが楽器抱えて行進?と思いきや カンファレンス(会議)の事
★ 私ね今までの人生「順調満杯だったのよ~」→ 順風満帆の事

私の病も 「順調満杯」になりたいな~と思う。

2012/03/27

色糸でかぎ編み


色糸を歩く

長い入院生活で 
生まれて初めて編み物を習った

同室になる 女性達の多くは
家族のセーターや小物を仕上げる頃
退院してゆく

セーターなどの編み物は目数を間違えると
間違えた所からの、つけが回ってくる

エネルギーを最小限に押さえ
何回も繰り返すことで
脳に刷り込んだ編み方を組み合わせて
「花の首飾り」だけは
とても上手に
作れるようになった

灰色の病棟で
カラフルな糸は場違いな鮮やかさで
こっそり私の心を励ましてくれた
花の首飾りと語りのための小物

近しい友人に
何かお見舞い送りたいと連絡もらった時は

好きな色の 毛糸3色を送ってほしい
と告げ
今までもっている私の毛糸と組み合わせ
「花の首飾り」を作って郵送している

自分のために
増殖するマフラーや帽子のようなものも編んでいる

送られてくる 色はさまざまで
自分では買わないような色が あり
その色がアクセンとになり 完成し
又別の人の首飾りとなって
手元から離れてゆく
知らない人同士が 私の色糸で繋がってゆく


モチーフ編みマフラー
見知らぬ場所で
見知らぬ人が
「花の首飾り」マフラーを見て

きっとあれは 
きっとあれは あれに違いない 
と心でつぶやくのかな
などと思い描くと少し楽しい


花の首飾り希望の方は
好きな色の毛糸3色
送ってくだされば 

雪解けまでにはお届けします


2012/03/22

弱腰で走ってみる



正しいと思い込んでいると

ちっとも前に進めないから
後方の過去を確認しながら

走ることにします

過ぎ去った出来事は

極彩色に満ちていて綺麗です

前方は見えないので

不安で弱腰になりますが

走ってみます



2012/03/20

立春から春分になった


春の始まりは「立春」暦の上では2月4日

昼夜の長さがほぼ同じ
今日は「春分」
春彼岸だ

雲母のように 層になる外光
薄い光がいくつも重なり、春の光は
色調表で区別できない色になる

区別できるものは少し怪しい
その境界はどこにも見えないもの

黄色のような桃色めいた薄い青
そんなふうに見えた 今日の雲行き

2012/03/18

アニス シード

アニスシード茶
ムクワスとスイートシード

天竺からやってきた

香りの高い、薬草やハーブが好きだ

インド帰りの友人が
料理のお口直しに頂く、
アニスシュガーとムクワスを送ってくれた

香辛料入りの食べ物が大好きで
フェンネルシードやキャラウェーシードが練りこまれているチーズも見つけたら
すぐ口に入れたい

スイートフェンネルシードのカラフル砂糖菓子も食べたいな

「アニス アニス」と思っていたら
ノンカフェのアニス茶が届いた
カフェイン禁止になった私にとって
うれしいギフト

せり・うど・えごま・みつば・パセリ・セロリ
強い香りは身体に染み入り、何かを消してくれるような気がしている




2012/03/17

寄せ植えします

お花を胸に

雪が解けたら
 
あなたからもらった言葉を大切に
寄せ植えしてみるね

8年間
私の、理解者でいてくれてありがとう

夜空を見上げると、星の瞬き

与謝野晶子の短歌の気持ちです

「冬の夜の星君なりき
 ひとつをば云うにはあらず
 ことごとく皆」

喧嘩したわけでも、携帯が故障したわけでも
ないのに、もう通信できない私達

2012/03/15

イシイの甘栗


イシイの甘栗
  
津軽海峡を渡って
イシイの甘栗が届いた

とっても香ばしくおいしい

いつも
大切にしすぎると 賞味期限が切れてしまう
残念だ 実に残念だ

大好きな物も、人の関係も同じだなぁ


今までの経験を生かし、態度を反省しながら
一日8個食べた

本当は30個は食べたい
おいしい
イシイの甘栗が
遠方から届いた日

2012/03/14

左声帯麻痺


声帯麻痺

発声装置の声帯が意固地なほど開かず、麻痺を繰り返した
声が出なくなるのだ

獣が声を失ったらどうやってコミュニケーションをとるのだろう
危険な方向を知らせてもらっても、今いる場所すら伝達できないのだ

発語できない声は、音ではなく、息の振動だった

大切なことも説明できない中で
説明すべき大切なことって何だろう

そんなことを考えていた

2012/03/13

1年ぶりのこんにちわ。



森に上がる真昼の月

ブログの更新ができないまま、一年が過ぎました。
近況と報告です。
私は
2010年入退院を繰り返し
2011年1月~入院生活14ヶ月 となる今は
弥生3月。

窓を開くと顔にあたる風が、
折れた心の欠けらを散らしてくれて
ようやくブログ再開する心の準備が整い
1年ぶりに更新します

病名は
「拡張型心筋症」と言う心臓の難病です。

2010年
病が進行し「植え込み型除細動器(ICD)」を
左鎖骨下に、植え込みましたが
機械やドクターとのトラブルが重なり
異常事態の収束は叶わぬまま、
 
現在の病床

精神的苦痛から声帯麻痺で
声もでなくなり
集中治療室に長く入室していました。

心はバカになったねじ山のようでした。

2011年 
転院しバチスタチームによる手術で
胸からおへそまで
フリーダの傷より長く切り開き
心臓を小さくして、ICDを入れ替えました。

手術は成功し、人間味溢れる外科医に出会え
用を成さなくなったねじを丁寧に拾い集めてもらい
まぶたの力も強くしてもらえました。
M教授に出会えなかったなら
物質的な心臓の機能停止よりも早く
全てがバラバラになっていたと思います。

きらめく理想も、胸が高鳴る音も一切聞こえず

ひな祭りのランチ

幻聴や幻覚、痛みや不安の途上ある時
きっと明日は痛みが薄く・・・
と未来に願いを託せたのもM教授のおかげでした。

その教授に
「病歌人が療養短歌を生み出したように創造しなさい
今しかできないことがあるはずだ」
と励まされ
描いていましたが
今、見直すと痛みが全部集って
記憶が色濃くなるばかりです。

現在は、「心臓リハビリ」治療を
信頼できる
内科医Aドクターのメニューで実践し
時には作業療法で陶芸も組み込みながら
体力をつけています。

磨り減った心のねじ山を研ぎ出してもらっています。

森の見える病院の3階で
窓から見える森の朝日

豊満な月の見張りをしながら過ごしています。
帰化植物のように強くなりたい。
そんなことを思えるくらいになりました。

病院は、木枠の二重窓にピータイル
で喫煙室完備。
私は「昭和レトロ病院」と呼んでいます。

町内会の夏祭りでは
ナースや事務職員が「かき氷」や
「焼き鳥」の出店したりする、
地域密着の病院です。
冷房が無いので綺麗なナースも首に白いタオル
ドクターはねじりハチマキと


月の輪熊のM教授が、支えてくれる
 映画のような光景がいっぱいです。

4箇所の病棟に一年以上滞在したので
入院必需品・院内タブー・うれしいお見舞いの品
知っておきたい病院用語・・・etc
「How to hospital stay」というタイトルでまとめたいくらい
驚くことの連続です。


薬を運ぶ使者
「私の常識
あなたの非常識、
あなたの常識
私の非常識」
という言葉が
入院生活には、ぴったりです。

苦しい出来事の影には、滑稽さも潜んでいて
そんなこんなを
今後紹介してゆければと思っています。


小林重予